どうせみんな死ぬんだって
気付いたのはカムパネルラが死んだ頃で
ザネリを恨んだけれど
ザネリはあいかわらず
ザネリだったので
僕は学校に行かなくなったよ
そうして
ザネリは
ようやく
しんだよ
流れ星になったって誰かが言ったけれど
僕は流れ星が人の魂なんかじゃないのを
知っているんだ
でも
車中で妻に炭坑袋の話はできなかった
汽車の向かう先が心なしか
僕の目には暗い気がしたけれど
妻は気付かずに幼子を腕の中であやすのに精一杯で
それでも僕は彼女に言ったよ
どこまでだって行こうねえ
腕の中の幼子がようやくわらったから、
僕はふうっと息を吐き出せたんだ、
カムパネルラ。
君の顔は夢に見る。
ザネリ。
君の事は忘れてしまった。
汽車はどこまでも走って 走っている。
PR