祭りの喧騒の後の死を
密やかに透視している。
蝉は盛りとばかりに鳴き
影は色濃く落ちる中に
ひとつ死体が静かに
うまれる
花火が
花火だよ
ねえ花火だ
綺麗なので死ぬ理由がひとつ増えた
おしまいは来ないのに
(見ることがかなわないのに)
しまいをしなければならないんなら
生きる理由を早く磨り潰してしまわないと
いけない
(他人に迷惑をかけてはいけません)
(他人に交わってはいけません)
ならば残高が零になる時だ、
生きる方法を数えるよりも
死ぬ方法のがありふれ て
やすい
不良品は早く しまっちゃおうねえ、」
暦のくれるのが待ち遠しくて
気がくるいそうにたのしみで
ノルマを塗り潰すように
狭い空洞をうめるように
あといくつ寝るとなどと
指を追っては、
人知らぬおわりを待ちぼうけし
文字を無駄に書き並べて
願いましては、
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