うたって、踊っていたいだけ
{引用=君はそうやって
声を残して
暗闇の中へ
レーザー放って
「融けてしまったんだ」
背後から伸びた手
気付かない振りして
知っている振りして
モニターの顔は冷静そのもので
指先だけが興奮 ざわめけ
「うたえうたえ」
巻き舌の効果音でもって
評価:神経質、眼鏡が曇って
何かを残そうって
をふるって
「品定めしてんだ」
そんなもんは、しったこっちゃない。イエー
晴天に舞うタオルも
闇夜に誘うカクテルも
そんなもんは、しったこっちゃないんだ、ねえ}
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球体の印象
{引用=無言の
静寂の
自由の
立ち合いだけで、それでよかった。
(のに)
おずおずと触れた手に伝わるのは
完璧と言い難い温もりと
離れ難い柔らかさだった
何度となく躊躇うも
それを味わうのは
やめられなかった
(ので)
光は壁を灰から救い上げ
完璧な静寂と滑らかさを壊す水音が響き始めた。
球体は身を捩ると
こちらを非難するように
顔を顰めた
僕は球体へ「おはよう」と言った
曖昧な笑みを浮かべていたと思う
心地のよい温もりの
完璧な朝だった。
おはよう。}
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