気付いたら経験則の紙の山を前に身動きとれず
時たまイレギュラーにぶちまけられてはそれでもそこに山があるだなんて信じ切っていたので
君が新世界を持ち込んでその山全部なぎ倒して行こうって俺の手を取って引っ張ったけど
重い足はまだ動かない 君は頑張る、勇者よろしく、どこにそんな力があるんだってくらい
重い足はまだ動けない 君は太陽を選んで俺のブーツの紐を解いて
無理やりに俺に翼を生やした
やめろ俺は現実に生きる、フィクションは二次元だけにして、
喚けど新世界の君はそんなこともおかまいなしで
無理やりに俺を連れ回し暴れろなんて解放の呪文を唱える
おい君は勇者じゃなくて悪魔か
喚けど新世界を作る君はただ目を細めて傍観者に成り代わり
気付けば俺が悪魔になって
気付いたら穴を掘る男の前に俺は手を差し伸べていた
「適役はお前しかいない」
あの子みたいに上手くは言えなかったが
それでも男は作業を止めていいよと俺に嬉しそうに笑ったので、
俺もやったと笑みを零したのでした。
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